Low-Eガラス(エコガラス)とは?機能やメリットを紹介

近年、省エネが大きく注目されており、新築やリフォームでも省エネ性能の高い住環境を求めている方が増えています。
省エネできる家づくりについて調べていると「Low-Eガラス」という言葉を耳にしたことはありませんか?
「Low-Eって何?」と戸惑う方もいるかもしれませんね。
そこで、今回は、Low-Eガラスとは何か、機能やメリットについて解説していきます。
Low-Eガラスとは?
Low-Eガラスは、複層ガラスの一種です。複数枚のガラスを用いており、一枚板のガラスよりも断熱性が高いという複層ガラスの特徴に加え、中空層側のガラス面に薄い特殊金属膜がコーティングされています。この特殊な加工により、Low-E複層ガラスは一枚ガラスや通常の複層ガラスよりも優れた断熱性が期待できるのです。
Low-Eガラスのメリット
では、そんなLow-Eガラスにはどんなメリットがあるのでしょうか。
考えられるメリットを5つご紹介します。
高い断熱性能によって快適な室内環境が作れる
Low-Eガラスを採用することで、高い断熱性能を得ることができます。これにより、外の熱や冷気が室内に入り込みにくくなります。また、室内の熱も逃げにくくなるため、室内の温度が安定しやすくなるのです。
外の熱や冷気によって室内が熱くなったり、冷えてしまったりすることが少なくなるので、快適な室内環境を手に入れられます。
エネルギー効率が上がって光熱費の節約につながる
室内の温度が安定しやすくなるということは、冷暖房効率の向上にもつながります。エネルギー効率が上がるので、冷暖房にかかる光熱費を節約することも可能です。
昨今、電気代の高騰が目立っているで、少しでも節電したい方は、Low-Eガラスへのリフォームも検討すると良いでしょう。
エネルギー消費削減により環境に良い
冷暖房効率が高まるということは、その分エネルギー消費が少なくなるということです。これは、CO2の削減にもつながるため地球温暖化対策となり、環境にも優しいです。環境保護を意識するなら、Low-Eガラスの採用も検討してみてはいかがでしょうか。
紫外線がカットされて室内の日焼けを抑制する
Low-Eガラスは特殊金属のコーティングで紫外線を約70〜80%カットできます。これにより、室内の家具や建材の日焼けを防げます。お気に入りの家具やフローリングの美しい状態を長く保てるということです。
中空層によって結露が抑制される
Low-Eガラスは複数枚のガラスで構成されています。複数枚のガラスとの間にある中空層によって、室内側のガラスの表面温度が下がりにくくなり、結露の発生も抑えられるのです。
結露が発生すると、窓ガラスに水滴が付着するだけでなく、窓周りのカビを発生させてしまいます。これは、掃除の手間が増えるだけでなく、家族の健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。Low-Eガラスを採用して結露の発生を抑制させるなどの対策が必要です。
Low-Eガラスのデメリット
Low-Eガラスの導入にはさまざまなメリットがありますが、2つのデメリットも存在します。それぞれのデメリットについてみていきましょう。
初期費用は高い
Low-Eガラスは一般的な複層ガラスよりも価格が高めに設定されています。ガラスの面積が大きければその分費用も高額になっていきます。
しかし、冷暖房効率の改善で光熱費が節約できることから、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れたガラスでもあります。長期的なことも考慮して採用を検討しましょう。
メンテナンスが必要
Low-Eガラスは特殊な金属膜が施されていることから、特定のクリーニング剤を使用するなどの特殊な手入れが必要です。メンテナンス方法については、リフォーム業者からしっかりと説明を受けるようにしましょう。
Low-Eガラスを選ぶ際の注意点
最後にLow-Eガラスを選ぶ際の注意点を3つご紹介します。
取り付けが可能かを確かめる
窓ガラスのリフォームの場合、既存のサッシがLow-Eガラスに取り付け可能かどうかを確かめる必要があります。事前にリフォーム業者に調査してもらいましょう。
もし取り付けできない場合、「アタッチメント」という部材を使ってガラスを納める方法もあります。しかし、アタッチメントがアルミ製の場合、結露が発生してしまい、結露対策の効果が薄れてしまう可能性もあります。
サッシごと窓を交換する方法もありますが、この方法は費用が高額になるため、リフォーム業者の見積もりを確かめてから検討しましょう。
機能を選ぶ
Low-Eガラスは2種類に分られています。1つはより冬場の断熱性を重視した「断熱タイプ(日射取得型)」、もう1つは夏場の遮熱性を重視した「遮熱タイプ(日射遮蔽型)」です。
2つの種類の違いを表にまとめてみました。
断熱タイプ(日射取得型) | 室内側にLow-E膜が張られている。遠赤外線を吸収・反射する特性がある。太陽光をカットしすぎないため、冬場も適度に室内に日光が入り、室内の暖房熱を逃がさない。 |
遮熱タイプ(日射遮蔽型) | 屋外側にLow-E膜が張られている。近赤外線・遠赤外線の両方を吸収・反射する特性がある。夏場の暑さに対して、室内の熱の侵入を抑えて、室内の温度上昇を防ぐ。 |
上記のように断熱・遮熱タイプそれぞれで違いがあります。冬の暖かさを重視するのか、夏の暑さを対策したいのかによって選ぶタイプが変わってきます。
室内の暖かさを保ちたいなら断熱タイプで、夏の厳しい暑さに対処するなた遮熱タイプが有効です。
ガラスの色を選ぶ
Low-Eガラスは、金属膜でコーティングされているため、少しグリーンがかったガラスの種類もあります。そのため、室内側から景色を見ると色が変わって見える可能性もあるでしょう。クリア色のガラスも出ていますが、事前に自分が選んだガラスの色は何かを確認しておくことが大切です。
まとめ
Low-Eガラスは室内環境を快適にし、光熱費の節約も期待できる優れたガラスです。しかし、費用の高さや特殊なメンテナンスなどのデメリットもあります。また、リフォームによっては取り付けにおいて注意すべきこともあるため、必ずリフォーム業者にしっかりと相談した上でリフォームを検討しましょう。